今年度より、「100%スモークフリー立命館」と題して、キャンパス全面禁煙の啓発活動が取り組まれている。この取り組みの趣旨について、企画・運営を主導するOIC学生オフィスに聞いた。
「100%Smoke Free立命館」はOIC学生オフィスを中心に企画された取り組み。本学では2013年からキャンパス全面禁煙が敷かれているが、この企画はそれに即した広報キャンペーンの一環である。
これまでのキャンペーンでは、喫煙者に向けて卒煙などを呼びかけるものであったが、「Smoke Free立命館」は、主な啓発の対象を非喫煙者としている。これには、本学の97%の学生が非喫煙者であり、喫煙者に向けた啓発活動には限界があるとの意図がある。
そのため、喫煙の健康への害悪を訴えるようなキャンペーンではなく、大学に関わる全ての人が大学の空気をきれいにしていこうという機運を高めるポジティブな運動になっている。キャンペーン名の「100%」には、「全面」禁煙の意味も込められている。
このキャンペーンに際して大学に関わる多くの人の目を引くロゴマークが採り入れられた。このロゴマークと、「タバコの煙をきれいな空気に」というキャッチコピーの入った街灯のフラッグや床面のシールなどの広告が各キャンパスで展開されている。学生の動線上に配置され、印象に残る床面のシールは、当初は建物の側面に配置する予定だったものを、下を向く機会が多い最近の歩行者の特徴を汲んで、広報課が提案したものを採用したものだ。
喫煙は、ルールを守れば合法的な嗜みではある。一方で、健康へのリスクは免れない。今後は教学部とも相談しながら小集団授業で禁煙について考える時間を設けるなど、喫煙を始めることの多い20歳前後の学生に新たな喫煙者を生まない支援を行っていく計画もある。また、今回のキャンペーンを広めるべく、OICでは学生団体が立ち上がった。キャンパスを巡回し、学内で喫煙している人への啓発活動などを行っている。現在は少数であるが、今後も募集して、規模を大きくしていきたいという。
本学における禁煙モラル・マナーについては様々な意見があるが、日本全体では、公共の場所での禁煙化が3年後の東京オリンピックに向けて進んでいく。全面禁煙化という本学の取り組みは全国的にも先進的だ。愛煙者も嫌煙家も、喫煙の是非ではなく、一定の決まりの中でのモラル向上について共に問い直したい。
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