McAfee提供停止 「ネットの危険性 再認識を」

  立命館大学は2020年3月31日にこれまで学生や教職員に無償配布していたマルウェア対策ソフトウェア「McAfee」の提供を終了することを発表した。提供終了は、近年OS標準のマルウェア対策ソフトがMcAfeeと同等の性能を備えるようになった情勢や卒業と同時にライセンスが失効することによる危険性を踏まえ、11月6日の立命館情報基盤整備委員会で議決された。今後は各OSに標準で入っているマルウェア対策機能の使用を呼びかける。

ウィルス対策 新たな次元に

 McAfeeはシグネチャ・マッチング型の不正検知方式を取っている。これは過去の攻撃パターンを記憶し、既知の攻撃パターンと合致したものをウイルスと判断し、侵入を防ぐ。しかし、近年ウイルスは次々に新たなものが出現しており、未知の攻撃をしてくるものが多いため、シグネチャ・マッチング型のものでは完全に防ぐことができなくなっている。

 この状況はOS搭載の対策ソフトも同様。そのため、情報基盤課はウイルスによる被害を抑えるため、OSやソフトウェアを常に最新のバージョンにアップデートしたり、不要なダウンロードを控えたり、フィッシングメールなど送信元が不明な怪しいメールは開かないようにしたりといった対策を呼びかけている。

身近な注意で被害防止を

 また万が一ウイルスに感染した場合は、すぐにネット環境を遮断し被害が拡大することを防いだ上で本学RAINBOWサービスデスクやメーカーなどに相談することを推奨している。

また、最近同課にはパスワードの使い回しによるアカウントの乗っ取り被害の報告もある。さらなる被害拡大の可能性もあるため、パスワードの使い回しや単純なパスワードにしないなどの対策が求められる。

 現在、同課では情報セキュリティの啓発のためのガイドラインを作成し、公開に向けての準備を進めている。完成次第、ITサポートサイト(http://www.ritsumei.ac.jp/rainbow/)で公開され、manaba+Rで周知される予定だ。学生、教職員はぜひ一読して、自身のセキュリティを万全のものにしてほしい。

(小板橋)