「安心して勉強できる環境を」
本学を拠点に活動している国際協力団体「IROHA」がクラウドファンディングを始める。期間は10月27日から11月30日までで目標額は100万円だ。寄付は全額、カンボジアのタケオ州ドンパー小学校の再建資金に当てられる。また11月中旬にはカンボジアでの活動などをまとめた本を出版する予定だ。
カンボジア北東部にあるオースヴァイ村。ラオス国境に近い人口1000人ほどのこの村には8年前まで中学校がなかった。その現状を変えるためにIROHAがNGO団体JRFC(Japan Relief For Cambodia)と連携してオースヴァイ村に中学校を建てた。「IROHAスクール」と名付けられたこの学校では現在、13歳から17歳まで100人ほどの中学生が学んでいて、中学校への就学率は80%以上にまでなった。ほぼ100%の卒業生が高校まで進学していて、村人からは「学校が出来て本当に感謝している」と喜ばれている。
IROHAスクールは公立中学校であるが、現在も年2回現地を訪れ教育支援を続けている。その中でも代表的な活動が「夢プロジェクト」だ。生徒が広い視野で自分の将来を考えることができるように、現地の消防署や繊維工場と協力して生徒に職業体験の場を提供している。
「生徒に夢を尋ねた時に先生や医者といった限られた職業しか答えることができなくて。将来の選択を増やすために職業体験を始めました」とOIC代表の榊原健太さん(政策3)はその意義を説明する。去年からは学校に12台のパソコンを導入し、インターネットを活用した教育にも挑戦している。同時にソーラーパネルの導入を検討するなどIROHAスクールが外部からの援助に頼らず自力で運営するシステムの構築にも取り組む。
そして新たな支援先へ
今年、IROHAが新しいプロジェクトをスタートさせる。カンボジア東部・タケオ州にあるドンパー小学校の再建だ。ドンパー小学校には新校舎と旧校舎があるが、旧校舎は損傷が激しく、雨が降ると教室内が水浸しになるので、授業ができない。
老朽化した旧校舎は1、2年の内に完全に利用不可となることも予想されていて、建て替えには傷んだ机や椅子などの買い替え費用も合わせて4万5000ドル(およそ500万円)が必要である。
しかし学生団体であるIROHAが500万円もの大金を用意するのは簡単ではない。活動資金は寄付やイベント開催による収益、協賛企業からの支援が主である。地道に活動を続けているが「(資金面の)見通しは立っていない」と榊原さんも表情を曇らせる。その現状を打破しようと目を付けたのがクラウドファンディングだった。活動に共感する人に3000円からの支援をしてもらう。
「経験とノウハウを持っているので、金銭的な支援をしてもらえればドンパー小学校の現状を変えることができる」と榊原さんは意気込む。 (鶴)
IROHAへの支援は以下のページから。https://camp-fire.jp/projects/view/80677
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