立命館大学アートリサーチセンターが20周年を迎えた。同施設は衣笠キャンパス内にあり、人類の文化を後世に伝承するために、歴史的・社会的な視点から有形無形の文化を研究し、記録・整理・保存することを主な目的としている。
同施設ではこれまで、浮世絵をはじめとする文化芸術品のデジタルアーカイブ化などで実績を挙げており、浮世絵のデータベースは収録数が約53万5000点、公開しているだけでも約12万点と世界最大級を誇る。デジタル化して保存することで、作品を傷ませずに多くの人が閲覧可能となる。また、貴重書籍に指定されていて簡単には閲覧できない古典籍でもデジタル化することで容易に閲覧することができる。
20周年を迎え、今後はこれまで蓄積してきたデジタルアーカイブ技術を用いて海外や地域での貢献を目指す。これまでも欧米を中心に海外デジタルアーカイブ事業を継続的に展開してきたが、さらに連携の枠組みをアジア地域に拡大し研究基盤の裾野を広げていく見通しだ。
そのほか、デジタル化された友禅図案や唐紙の模様を現代生活に活用する試みなど、京都を中心とする文化産業と文化研究を融合させることにより「京都らしい」地域連携と地域貢献の形を見出しつつある。専門知識のない人でも簡単に利用できる情報検索システムの構築も行なっており、アーカイブされた資料は誰でも同施設のホームページから閲覧できる。 (西山)
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