本学学友会は、2019年度より「凍結金」の運用を開始する。これまで学友会の予算は、学費とは別に大学から代理徴収される入会金3000円・年会費5000円の学友会費からなる「学友会費年間予算」、前年度年間予算の未出金分が繰り越された「繰越金」の2つから構成されていた。来年度以降はこれに「凍結金」が加わり、3つの財源が確保される。
Ⅱ部の余影 凍結金が映す
凍結金について説明するには歴史を遡る必要がある。本学は社会人教育を目的に夜間学校として設立された。その後Ⅰ部(昼間制)・Ⅱ部(夜間部)の区分が設けられ、社会人・勤労学生向けのⅡ部は7学部に存在した。1996年、Ⅰ部・Ⅱ部の区分が廃止され、昼間主コース・夜間主コースからなる昼夜開講制に移行。2007年には産業社会学部の夜間主コースで最終講義が行われ、本学の源流ともいえる夜間部は107年の歴史に幕を下ろした。
Ⅱ部にも「学友会」が存在し、現在同様に新歓運動や課外支援活動を行っていた。2001年、Ⅰ部学友会とⅡ部学友会が統合し、現在の「学友会」の形ができあがった。Ⅱ部学友会はⅠ部学友会とは別に予算運用・学友会費徴収を行っており、Ⅱ部の廃止に伴って、Ⅱ部学友会における繰越金1億3919万696円は宙に浮いた。Ⅱ部の学生から集めたお金である以上、簡単に現・学友会の年間予算の一部として利用するのは適切とはいえず、10年以上この問題は「凍結」されていた。
凍結金出金 学園の発展のために
そこで今年度、問題解消のため、凍結金出金ガイドラインが策定され、来年度より運用を開始する。ガイドラインでは凍結金の出金趣旨として「学生生活全般の発展向上に努め、併せて学園の発展に寄与する」ことを目的とし、学園の振興により学生生活水準を向上させるものとしている。出金対象は①中央委員会で承認された活動に必要な経費のうち、学友会費で充当可能であること②支払い前に出金の正当性について議論できること③当該企画だけでなく活動全体や学園振興につながる出金であることの3要件を満たすものである。学生個人が利用する交通費や支払先の選定基準が不透明なものには出金できず、全学的に活用できるものに対し出金される。
これまで当該年度の予算での出金が不適当な場合に「繰越金出金」が行われてきた。「凍結金」は当該年度予算の執行が適切かどうかではなく、実現可能性の観点で出金が難しい場合の出金が想定される。 (吉武)
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