本学トライアスロン部の佐田恵一朗さん(法2)が9月8,9日に愛知県で行われたトライアスロン伊良湖大会の年代別(24歳以下)で優勝し、来年5月にスペインで開催されるITU世界エイジグループ・ロングディスタンストライアスロン選手権への出場を決めた。ただ渡航費など資金面の問題で出場が危ぶまれている。佐田さんはクラウドファンディングで大会出場のための資金を募っている。
佐田さんは大学入学後にトライアスロンを始めた。理由は「大学から始めても勝てるスポーツ」だから。高校までプレーしたテニスで培った体力を武器に、通常よりも距離が長いロングディスタンスを得意とする。練習は週6日あり、学業との両立については「前期に6単位落としてしまって」と苦笑いする。困難なのは学業との両立だけではない。
「トライアスロンは3競技あるので、やっぱりお金がかかるんですよね。シューズなどの消耗品や3万円ほどの大会エントリー費用だとか。バイク(競技用自転車)は30万円しました」
関西圏外の遠征では体育会から補助金が出るというが、かさむ道具代などは自己負担である。学生のバイト代でまかなうのは容易ではない。
スペインでの世界選手権のためには渡航費やエントリー費など合わせて30万円が必要であるが、こういった事情から出場は難しいという。
「お金がかかるのはしょうがないけれど、せっかくの機会だから出場したい」
佐田さんは資金調達の望みを、不特定多数の人々から支援を募るクラウドファンディングに託した。目標額は30万円で、期間は12月10日から40日間を予定している。リターンにはスペインのお土産などを設定している。
世界大会での目標については「まだ出場できるか分からない状態なので何とも言えません。まずは大会に出たいです」と不安を漏らした。
佐田さんのクラウドファンディングは以下のページから
気になる体育会のお金事情
世界選手権に出場しても資金面の問題が佐田さんには立ちはだかった。それでは他の体育会クラブの現状はどうなっているのか。硬式野球部・軟式野球部・ゴルフ部に所属する学生に取材した。
硬式野球部
なにかとお金がかかりそうなイメージの硬式野球部であるが、選手に聞いてみるとそれほど金銭面での個人の負担は重くないという。
「OBからの寄付金が多くて、ボールやヘルメットなどのチーム道具はそこからまかなっています。木製バットは個人購入ですが、便宜を図ってもらいかなり安く購入することができています」
ただ新幹線代やバス代などの遠征費は自費でまかなうことが多いという。また主な練習場である柊野グラウンドは京都府北部にあり、交通の便が悪いためバイクの所有が必須である。12月からはオフシーズンに入る。その期間はアルバイトが推奨されている。
「年明けの合宿費の半額は親が払いますが、残りの半額は選手自身が払うルールがあります」
軟式野球部
軟式野球部では基本的に部費は存在しない。
「必要な時にキャプテンの判断で集めるというスタンスです。今年度から軟式ボールの規格が変更されたので買い替えの際に半年間、月5000円ずつを徴収しました」と部員は語る。
軟式野球部も、全国大会出場などの折に触れてOBから多額の寄付が集まるという。ボールの消耗は硬式野球と比べると少ないが、軟式野球で広く用いられているミズノ社のビヨンドマックスは最高級品で4万円を超える。
交通費は自費負担が多いが、11月に出場した西日本大会の際には体育会からの補助費が1人1万円支給された。
ゴルフ部
ゴルフに対して「お金持ちのスポーツ」と記者は卑近なイメージを抱いてしまうが実際にはどうなのだろうか。ゴルフ部員に聞くと「ピンキリですね」という答えが返ってきた。
「例えばゴルフセットは新品で良いものだと10万円は下りません。ただ中古でよければ5万円ほどで購入できます。あとは大会に出ると、ラウンド料などのエントリーフィーで10万円ほどかかるのでレギュラー選手は大変ですよね」
また同部は日頃の練習時からゴルフセットを持ち歩き、練習も遠方が多いのでほとんどの部員が自家用車を所持している。そのため駐車場費やガソリン費など自動車の維持費が負担になるという。
練習費用については、衣笠キャンパスの部員は大学近くのゴルフ場で球拾いをする代わりとして無償で練習させてもらっている。
「週2回、ゴルフ場で練習をすると3000円くらいかかるので助かっています。」
またゴルフ場でのキャディーのアルバイトが定期的に同部で募集されていて、大半の部員がこのバイトに就いているという。それでもかなりお金がかかるゴルフ部。「金銭面でかなり大変ではないですか?」と尋ねてみると「正直なところ裕福な人が多いです。逆にそうでないとなかなか続けられません」という答えが返ってきた。 (鶴)
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