2季ぶり39回目(旧リーグを含む)のリーグ優勝を果たした本学硬式野球部。初の全国制覇を目指す全日本大学野球選手権大会が6月10日(月)から始まる。本学の初戦は11日で、首都大学野球連盟を制した東海大と東京ドーム(東京都文京区)で戦う。全国での戦いを前に主将の大本拓海(文4)とエースの坂本裕哉(文4)が今シーズンを振り返った。
取材日5月31日 (鶴、吉岡)
今季は計3節(対関西学院大、対近畿大、対関西大)が3回戦までもつれるなど、苦戦しながらも本学は完全優勝(全大学から勝ち点を獲得)を果たした。
Qシーズンを振り返ってどうだったか
大本:改めてリーグ戦で勝利することの難しさを感じた。ただ、苦しい戦いの中でチームは成長した。やっぱり今年のチームは「泥臭く」、「粘り強い」と思う。特に守備については、開幕前から球際やカバーリングなどの細かい練習をしてきて、土壇場でその成果が出た。今年はスター選手がいないけれど、控えを出しても遜色の無いくらいに総合力が高い。全員で一勝を掴み取るチームだね。
坂本:「自分の投げる試合は絶対にチームを勝たせる」という目標を持ってシーズンに臨んだ。全勝目標は達成できなかったけれど、チームが優勝できたので良かった。
昨年のチームからドラフト1位で楽天ゴールデンイーグルスに入団した辰己涼介(18年度産社卒)とエースの山上大輔(18年度産社卒→日本新薬)が卒業した。
Q山上が卒業し、自身がエースになったことで、心境の変化はあったか
坂本:それはもちろん。ピッチャー陣の中で、もっとも重要なポジションにいる自覚を持って冬場から練習に取り組んできた。個人としては「プロ野球選手」という目標に向けたシーズンと位置づけていた。エースとしても、突出した活躍をしないといけないという思いだった。
Qキャプテンとして初めてのシーズンだったけれど
大本:今まで以上に勝ちたいという気持ちが強くなったね。自分の成績よりもチームの勝利が大切。ノーヒットでもチームが勝つなら良いかと。ただ個人としては、打点も長打も少なく満足のいくシーズンではなかった。キャプテンだろうが、捕手だろうが、4番だろうが、監督に求められている仕事をしなければならないとも思っている。もう少し個人成績を残せれば…
エースの坂本はプロの球団も注目する逸材であるが、メンタル面が課題だった。後藤監督も第1節の対関学大1回戦の試合後に「坂本は100球を超えたら崩れる。プロは厳しい」と話していた。しかし、第2節(対京大戦)から見違える投球を見せる。1回戦でリーグ戦初完封を果たすと、次節(対近大)の1回戦でも強力打線を封じ込め2戦連続となる完封劇。その後の試合も好投を見せ、5勝1敗防御率0・84の好成績で最優秀選手に選出された。
Q課題と言われていたメンタル面を克服したのか
坂本:「気持ちの持ち方で投球が変わる」ことに気づいた。今までは「7イニング・100球」を「自分の壁」だと意識して投げていた。そういう意識を捨てて「一人ひとり、丁寧に投げていけば大丈夫」という思いが京大戦での完封に繋がった。
Q 2人にとって、どの試合が記憶に残っている
坂本:近大との3戦目かな。初回に味方が先制してくれて楽に投げることができた。あの試合を落としていたら優勝はなかったので、本当に大一番だった。村西良太(坂本は村西を「リーグで一番良い投手」と認めている)に投げ勝てたのは自信になったし、嬉しくもあった。
大本:僕もその試合が一番、印象深かったのだけど…。あえて他の試合を挙げるなら第7節(対関大)の3戦目かな。1点ビハインドの8回に代打・榮枝裕貴(文3)が逆転適時打を放って勝利したのだよね。継投で繋いで、粘って勝てた。榮枝のタイムリーも二死からだった。
今年のチームスローガンは「RITSUMEI PRIDE」である。スローガンに込めた思いを大本主将は、シーズン開幕前に本紙の取材で「自分たちが誇りを持てるチームを作る」と話していた。
坂本:本当にスタンドの力が大きかった。立同戦では、他の体育会クラブや一般学生も応援に来てくれたしね。「RITSUMEI PRIDE」というスローガンを体現した良いシーズンだった。
大本:優勝を決めた立同戦の2回戦が、今季の象徴だな。スタンドが完全にホームの雰囲気を作ってくれて、押出し四球でのサヨナラ勝ちに繋がった。
Q誇りを持てるチームになった
大本:まだまだだと思う。でも間違いなく良い方向に進んでいる。まだ追求できる部分があるが、試合を重ねるごとに良くなっている。もちろん今年だけの取り組みではなく、何年もかけてより良いチームを目指していきたい。
全国制覇を目指す全日本大学野球選手権大会が6月10日(月)から始まる。本学の初戦は11日で、首都大学野球連盟を制した強豪の東海大と戦う。
Q全国での目標は?
坂本:もちろん日本一。全試合完封したい。初戦は全部員が応援に来てくれるので、勝利という形で恩返ししたい。
大本:全国で勝ってナンボだと思っているので、なんとか本当に全国優勝したい。東京にもOBや応援してくれる人がいるので、良い姿を見せたい。1つ1つ勝ち上がって、今までの先輩が達成できていない全国優勝を果たしたい。
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