【特集・あの時から1年】「防災を考え直す」

 西日本に未曾有の被害をもたらした大阪北部地震や西日本豪雨から1年が経過した。いつ起こるのか分からない災害に備えて、本学や防災サークルの取り組みを紹介する。

生協主催 防災イベント

消火器体験の様子(衣笠キャンパス)
消火器体験の様子(衣笠キャンパス)

 学生の防災意識を高めるために、生協学生委員会が主催する防災イベントが6月に衣笠キャンパス、大阪いばらきキャンパス(OIC)で実施された。

 衣笠キャンパスで行われた「知っ得!防災」では、京都市消防局と連携して、起震車や煙体験ハウスを使用した災害体験ができるブースなどが出展した。OICで行われた「防災スタンプラリー」では、ⅤRを用いて水害時の視界体験ができるブースや、20㎏のおもりを両足首に装着して水害時に足にかかる負担を体験するブースなどが設けられた。また両キャンパスともに、水と的を使用した消化器体験や、防災に関するクイズのブースも設けられ、楽しみながら防災知識について学べる企画となった。

VRを使った水害体験の様子(OIC)
VRを使った水害体験の様子(OIC)

 起震車に乗り、南海トラフ地震の想定震度7の揺れを体験した学生は「今回は机と椅子が固定されていたからよかった。実際この規模の地震が来たときに家具が固定されていないと大変だと思った」と述べた。水害時の足の負担を体験した学生は「足が上手く動かせず、少しの距離を歩くのも難しく感じた」と語った。

防災サークルFAST

 災害発生時に命を守るためには、どのような準備をしておけばよいのか。衣笠キャンパスを拠点し、防災啓発を中心に活動する、学生防災サークル立命館FASTに話を聞いた。

 重要事項として、食料品の備蓄と家具の固定が挙げられるという。食料品備蓄法は、日常生活で少し多めに買い、使用したらその分を買い足し、常に一定量の食料品を備蓄しておくローリングストック法が有効であるという。家具については、転倒を防ぎ身体を守れるか、避難経路を確保できるか否かの確認が必要だ。

 また、特に下宿をしている学生は近隣住民との関係を築けていない人が多い。緊急時の助け合いが難しくなるという点から、団体代表の松尾悠希さん(法3)は「普段から挨拶をするなど、近所付き合いを大切にしてほしい」と語った。

ハザードマップ(地域の役所などで入手可能)
ハザードマップ(地域の役所などで入手可能)

大学の取り組み

 災害時の対応の規範として、学校法人立命館の安全管理室はWEBサイトにて「緊急災害対応ハンドブック」を掲載している。同ハンドブックには、日頃からの心がけや災害時に取るべき行動、避難場所、休講基準が詳述されている。避難場所と休講判断については、各キャンパスで定められており、広域避難所の所在にも言及している。大地震、風水害、火災に際しての具体的な行動と判断から、負傷者への対応、ライフラインのチェック、災害ボランティア活動の諸注意に関する記述まである。

 各教室内には、緊急連絡先が掲示されており、職員不在時の災害にも対応できるようになっている。また、課外活動時の被災には、キャンパス管理室が対応する。学内での防災意識の喚起としては、年1回の防災訓練のアナウンスや、manaba+Rでの安否確認の実施など、防災意識を高める取り組みが行われている。