求められる外国人留学生支援 留学生にも就職支援を

 3月、外国人留学生向けの求人情報共有システムを提供する公益財団法人留学生就職支援ネットワークが2018年卒の求人登録を無料で開始した。このシステムには本学を含む全国85校の大学が加盟し、求人登録の他にビジネス日本語学習教材の提供や会社説明を行っている。

 2016年5月現在、日本に滞在する外国人留学生は約24万人にのぼり(前年比15%増)年々増加傾向にある。これには、2020年までに外国人留学生を30万人に増やそうという政府の「留学生30万人計画」の推進も大きく影響している。

 

 この計画の背景には、日本の少子高齢化による人材確保という目的があったが、第2次安倍内閣による日本再興計画の閣議決定で日本企業の国際競争力の強化や海外市場の獲得が推進された後は、海外との架け橋となるいわゆる「ブリッジ要員」としての人材を外国人留学生に求めるようになった。しかし、外国人留学生を呼び込む一方で日本における就職希望者のうち約半数が就職できていないという現状がある。

 外国人留学生の日本企業への就職を困難にしている要因として、SPIと呼ばれる日本特有の筆記試験、エントリーシートや履歴書を書く上での日本語技能の習得不足の問題が考えられている。今後求められる留学生への就職支援とは,ただ就活情報を提供するだけのものではなく、留学生への日本語教育に重点を置いたものであろう。

 そこで、立命館大学ではエントリーシートの書き方など就職活動に必要な基礎的なスキルについてのガイダンスが設けられており、丁寧な就職支援を受けることができる。

 学問の環境が整っている大学は、外国人留学生への日本語教育をする機関として絶好の場所であろう。日本語には敬語や漢字とかななど他の言語にはない特徴があり、習得のためには早期の対策が必要だ。

 日本において将来の日本経済発展の一翼を担う外国人留学生は不可欠な人材であり、彼らへの教育は欠かすことはできない。今後の大学における留学生支援の発展を期待するばかりだ。 (川邊)