7月5日から8日にかけ、西日本の広い範囲で記録的な大雨。気象庁により「平成30年7月豪雨」と命名され、京都府をはじめとする計11府県に対して大雨特別警報が発令。7月10日17時時点で死者は146人を超えるなど、歴史的な大災害となった。
この西日本豪雨の際、大学の休講基準の適用は二転三転し学生や教職員を混乱させた。大学の対応にSNS上で異を唱え、休講基準についての提言書を作成している立命館大学法学部の木村和成教授に7月9日、話を聞いた。
(聞き手:鶴、石井)
学生や教職員を混乱させた一番の原因は休講の判断基準のぶれだった。
7月5日は大雨による災害の危険から特例的に全キャンパスで5、6限を休講と決めた。天候が悪化している中で6日の授業の有無についても、再び特例判断を下すと思われたが、大学は6日の授業を行うかの判断について通常の規定を適用した。しかも規定は台風をベースにしていて大雨災害は想定していない。この通常規定を適用して6日は授業を行ったが、同日昼ごろ、衣笠キャンパスの位置する学区への避難指示の発令に伴って、特例的な判断を再び行い同キャンパスを3限以降休講とした。つまり「特例判断→通常判断→特例判断」と判断基準が変わったのである。
「特例判断」についても誰が判断を下したのかがはっきりと学内で共有されていない。司令系統が我々(教員)にも分かっていないのに、学生が分かるはずがない。これは危機管理以前の問題である。また緊急対応をする部署も本学には存在しないため、すべて教学部の管轄になっている。早急に緊急対応部署を作るべきだ。
関西は阪神淡路大震災以後、大きな災害に見舞われてこなかった。この教訓があるにしても、時代状況は20年で大きく変わった。本学の対応には想定しなければならないことが想定できていないと言わざるをえない。インターネットの発達で即時性が高まっている時代に、もっとネットを有効活用するべきではないかと思う。
私(木村教授)が呼びかけて、ほぼ半日で50件を超える大学対応への意見が集まった。今回の大学の対応に無関心な人はいても、対応が正しかったと考えている人はいないだろう。
集まった意見を休講基準見直しの提言にまとめて、7月中には教授会などの会議体にのせたい。
木村教授の提案する休講基準改正案(現行案)
【論点1:台風以外の災害の考慮】
台風以外の災害の考慮については、さまざま災害を列挙して想定することは、想定外の災害が発生しうることも考慮すると、必ずしも現実的ではないため「休講とする場合」に第3項を新設し、学長判断による休講を可能する。
【論点2:休講判断時刻の再検討】
休講判断時刻の再検討については、現行6:30を30分繰り上げて6:00とし、遠方からの通学・通勤者に配慮することを提案したい。これは、休講判断時刻から授業開始までの時刻を3時間確保することにより、遠方からの通学・通勤者が不測の不利益を被る可能性をできるだけ小さくするためである。なお「3時間確保」の観点から、現行12:00の判断時刻については、廃止とする。
【論点3:公共交通期間の運行状況の考慮】
公共交通期間の運行状況の考慮については、衣笠キャンパスの休講基準である、現行の「京都市内乗り入れの4交通機関のうち3交通機関以上が不通の場合」を「2交通機関以上が不通の場合」とする。またこのうち、JR線の判断基準路線の東端を草津ではなく、彦根とする。
7月5日から8日にかけ、活発な停滞前線の影響で西日本の広い範囲で記録的な大雨となった。京都府をはじめとする計11府県に対して大雨特別警報が出されるなど歴史的な豪雨となり、この影響で西日本各地に甚大な被害がもたらされた。
京都府では、降雨による増水の影響で、桂川・園部川・鴨川など府内の河川で氾濫危険水位を超え、一時氾濫する恐れが高まった。桂川が流れる嵐山の渡月橋は全面通行禁止となり、鴨川の三条大橋付近の護岸が崩落した。
また大雨により京都市内は洪水や土砂災害への警戒が強まり、本学衣笠キャンパスがある北区衣笠学区にも避難指示が出された。6日午後7時の時点で上京区、中京区を除く9区で25万8138世帯58万6043人に避難指示、1947世帯4551人に避難勧告が出された。滋賀県では大津市や草津市などで洪水警報が出され、琵琶湖が氾濫注意水位を超えた。
交通機関にも大きく影響し、JR西日本ではほとんどの在来線で運転を見合わせ、阪急など私鉄にもダイヤの大幅な乱れが生じた。また、山陽新幹線では線路内に土砂が流入し、7日は始発から運行を見合わせた。高速道路も西日本の多くの区間で通行止めとなり、四国と本州の間の陸路での行き来は一時できなかった。
また、本学の学生生活にも支障をきたした。全キャンパスで5日の5限以降の授業が休講、6日の授業については、BKCでは終日、衣笠キャンパスでは3限以降、OICでは4限以降が休講となった。7日は一部補講が行われる予定であったが、全キャンパスで終日休講となり、立ち入りが禁止された。
6月の大阪地震から関西では大きな災害が続いている。被災した地域の一日も早い復興を願うばかりだ。
6月18日午前7時58分頃、大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1の地震があり、大阪府茨木市などで震度6弱の揺れを観測したほか、近畿地方の広い範囲で震度5強や5弱の揺れを観測した。
大阪府内で震度6弱以上を観測したのは、統計が残る1923年以降で初めて。同庁によると、震源の深さは13km、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定される。津波の心配はないという。
地震の影響により、立命館大学は全キャンパスで18日全時限の授業を休講とした。
発生地点や規模などから、気象庁は南海トラフ巨大地震との直接の関連はないとの見方を示し、1995年の阪神大震災とも関連はないが、今後2、3日は大きい地震が発生する可能性があるという。
大阪府北部ではその後も余震とみられる地震が相次ぎ、午前11時半までに震度1以上の揺れを観測する地震が10回起きている。気象庁は「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性が高まっているおそれがあり、やむをえない事情がないかぎり危険な場所に立ち入らないなど身の安全を図るよう心がけてほしい」とした上で、「揺れの強かった地域では、今後1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してほしい」と呼びかけている。
東海道・山陽新幹線は岡山―名古屋間で一時運転を見合わせ。
JR西日本の在来線は大阪、京都、奈良、兵庫、滋賀の全てで運転見合わせた。21時頃にJR京都線・神戸線・琵琶湖線(東海道本線)の運転を再開、22時に大阪環状線の運転を再開している。嵯峨野線、奈良線など一部路線は同日終日運休した。
私鉄各線も、阪急、南海、阪神、京阪、大阪モノレールの全線、近鉄の一部路線で運転を見合わせた。南海、近鉄と大阪メトロの一部路線では昼頃に運転を再開、京阪や阪神は15時頃に運転再開した。
阪急では宝塚線・神戸線と京都線の一部から順次運転を再開、震源に近い京都線では22時30分頃に全線で運転を再開した。阪急茨木市駅では、電光掲示板が落下。阪急南茨木駅では駅の損傷が激しく、京都線の運転再開後も下車・乗車ができない状況だった。19日には南茨木駅は一部の出入り口を除き復旧し、乗降できるようになっている。また大阪メトロ御堂筋線の江坂ー新大阪間ではレールの損傷により18日は運転再開の目処が立っていなかったが、19日に通常通り運転を再開した。大阪モノレールは、19日も軌道や駅の安全確認ができておらず、運転再開のめどは立っていない。本線については振替輸送を実施し、彩都線についてはバスによる代替輸送を実施している。
乗客の閉じこめも各地で相次ぎ、在来線の数十か所で、駅間で停車した電車から乗客が係員の誘導で下車した。
大規模停電も起き、大阪府と兵庫県の計9市で最大17万320軒が一時停電した。
道路では阪神高速道路、名神高速道路や新名神高速道路の一部など多くの区間で通行止めとなっていたが、昼過ぎに通行止めが解除された。
(5月号紙面より)
4月27日、びわ湖バレイ(大津市)のグリーンシーズンの施設がフルオープンした。
グリーンシーズンでは、琵琶湖を眺めながら森の中をロープで駆け抜けるジップラインや、大人でも楽しめるアスレチックのスカイウォーカーなど若者に人気なアトラクションをはじめ、家族で楽しめるサマーランドなど、自然を体全体で楽しみ、体験することができる。その中でもびわ湖バレイの新たな楽しみ方として「ヒト・モノ・コト」を融合させた新たな施設「びわ湖テラス」が今、女性やカップル、夫婦を中心に人気を博している。
びわ湖テラスは、びわ湖バレイの2つの山、打見山と蓬莱山の山頂にある施設「THE MAIN」と「CAFÉ 360」から構成されている。THE MAINはテラスカフェを有し、木目調を活かしたあたたかい印象のカフェでお茶を楽しむことや、テラス席や屋外ソファーでの開放感あふれる空間で食事などを楽しむことができる。特に快晴時の琵琶湖・山岳・そして緑あふれる平野が水面にシームレスに続く風景は一見の価値がある。
標高が高い場所に位置するCAFÉ 360には、その名の通り360度を見渡せるアーチ状のデッキがある。CAFÉ 360には当日予約限定のプレミアムシートが設置されており、足を伸ばしながら絶景を楽しむことができる。担当者によると、午前中が穴場な時間帯で、琵琶湖に太陽が反射しキラキラと輝く美しい風景が見られるとのことだ。また、THE MAINにあるテラスカフェのメニューは昨年から一部変更され、一度訪れたことがある人も新鮮な気持ちで楽しめそうだ。
びわ湖バレイへは京都東インターから車で約40分、JR湖西線・志賀駅からバスで約10分。学生に身近な原付(50㏄未満)は駐車料金が無料で、1人で気軽に訪れたり、仲間とプチツーリングで訪れたりといった利用も可能だ。 (戸簾)
2017年10月29日、「ここから、ひろがる滋賀のストーリー。」と謳った滋賀のアンテナショップ「ここ滋賀」が東京・日本橋にオープンした。
当ショップは滋賀県の情報発信拠点として活用され、滋賀の特産品や伝統工芸品の販売を初め、各蔵元の地酒が味わえる地酒バーや近江牛を始めとしたレストランが併設されている。筆者が訪れた12月8日(金)は平日にもかかわらず、若者から地元の方、高齢者まで様々な客層が見られた。
商品の中で非常に充実していたのは滋賀の地酒である。高島市の萩の露、東近江市の大治郎、竜王町の松の司などの滋賀県で有名な清酒を初め、バラエティに飛んだリキュール等、様々な酒造所の商品が販売されていた。
このような地酒の飲み比べが地酒バーでは1,000円程で提供されており、 関西の米どころとしての認知度向上の役割を担うと共に、滋賀の伝統的な地酒を楽しむことができる。
また、当ショップは東京駅や同学東京キャンパスから歩いて6分の立地にあり、地元のお土産を買い忘れた在学生や、地元が恋しくなった就職活動やインターンなどで長期間東京にいる学生にも嬉しい。
<詳細>
公式HP(ここ滋賀)より引用
1F
・マーケット:10:00〜20:00
・地酒バー「SHIGA’s BAR」: 10:00〜23:00
・総合案内「SHIGA’s CONCIERGE」: 10:00〜20:00
2F
・レストラン「日本橋 滋乃味」:
11:30〜14:00(ラストオーダー 13:30)/18:00〜23:00(ラストオーダー 22:00)
連絡先 ・1F共通:TEL:03-6281-9871 / FAX:03-6281-9877
・2F 日本橋 滋乃味:TEL:03-6281-9872
来年5月就航予定の滋賀県の新学習船の名前が公募の結果、旧学習船の名称と同じ「うみのこ」に決まった。最終候補の中から三日月大造滋賀県知事に選ばれ、長らく同県民に愛されてきた名前が引き継がれた形だ。
初代「うみのこ」は1983年に就航し、県内の小学5年生全員を対象としてこれまで約53万人の児童が乗船した。環境や人との関わりを、宿泊型体験学習(びわ湖フローティングスクール)を通じて学ぶことができる。しかし就航から34年が経過し、老朽化のため廃船が決まっている。2018年4月の就航に向けて新船を建造中である。
10月1日~6日に立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)で開催される学生イベント「Sustainable Week」。開催まで3か月を切り、参加する各学生団体や同イベントの実行委員会は着々と準備を進めている。
今回は参加する団体の中から、ジェンダー・LGBTQに関する活動を行う「color-free」と、理工学部プロジェクト団体「ロボット技術研究会(RRST)」の代表に、Sustainable Weekでの活動について話を聞いた。
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同イベントでは、BKCを「ひとつの小さな地球」と捉え、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」をBKCにおける1万人規模の社会問題にアレンジし、学内で17個のSDGsを達成することを目標としている。17個のSDGsに対して、1団体が1ミッションを達成することで社会問題解決に挑む。
SDGsのうち、5番目の目標である「ジェンダー平等を実現しよう」に取り組む「color-free」は、ジェンダー・LGBTQに関する活動を行う学生団体だ。日本人の約7.6%がLBGT(レズ、ゲイ、バイ、トランスジェンダー)であるといわれるが、ジェンダー平等な社会の実現に向けて活動している団体は日本ではまだ少ない。同団体は他大学の団体とは違いオープンサークルとして活動しており、当事者以外でも入会することができるという。そんな強みを生かし、ジェンダー平等へ向けた活動を発信して、一般の人にもジェンダー問題に興味を持ってもらうことが参加の狙いだ。
color-freeは、Sustainable Weekで「BKC-バルーンに気持ちを込めようキャンペーン-」と題した企画を行う。LGBTのテーマカラーである「レインボーカラー」になぞらえ、来場者にメッセージを書いてもらい、イベント最終日にメッセージカードを入れたバルーンを空に放つ「バルーンリリース」を行う予定だ。
代表の加藤耀さん(生命4)は「LGBTの活動に関心を持ってくれている一般の方は意外に多い。Sustainable Weekでは興味のない人にどれだけアプローチできるかが課題だ。ジェンダー平等を実現して、マイノリティーの方々が、自身をもって生きられる社会をつくりたい」と話した。
SDGsの9番目の目標「産業と技術革新の基盤をつくろう」に取り組むのは、理工学部プロジェクト団体「ロボット技術研究会(RRST)」だ。同団体はロボットの制作を行って大会出場や地域の工作教室などボランティア活動も行う。
代表の森田崇文さん(理工3)は、Sustainable Week実行委員長の馬場亮輔さんらの熱意に動かされ、イベント参加を決めたという。「Sustainable Weekでは、普段の活動では交流できない他学部や他団体と協力してイベント成功を目指している。様々な視点から意見を聞けるのはとても有意義だ」と話す。実際に同イベントは学生が主導し、参加するのも学生団体だ。各団体が協力して準備を進める中で、森田さんらロボット技術研究会のメンバーも、成功へ向けモチベーションも上がってきたという。
ロボット技術研究会(RRST)はSustainable Weekde「Technologyを体感しよう!」と題した企画で、科学技術の面白さをロボットを通して伝える。NHK学生ロボコンにも出場したロボットや、2足歩行するロボット、ラジコン型のものなどを展示し、地域の小・中学生向けにデモ走行や操縦などを体験してもらう。将来を担う子供たちに「ものづくりへの意識づけ」を促す狙いだ。
夏の高温に強く、ほどよい粘りとまろやかな甘みを持ち、冷めても美味しい。みずかがみは平成25年秋に滋賀県でデビューし、徐々に作付面積を広げて、平成28年には約2300ヘクタールで作付が行われたものが収穫された。また一般財団法人日本穀物検定協会の食味ランキングにおいて、平成27年と28年の2年連続最高ランク特Aと評価されており、近江米の未来を支える品種として期待される。
みずかがみは平成24年に滋賀県で育成された。8月下旬収穫の早生品種だがコシヒカリと同じ極良食味で、コシヒカリやキヌヒカリと同程度の収量がある。また高温登熱性に優れ、かつ倒れにくい。平成25年のみずかがみの作付面積は169ヘクタールで県内水稲全作付品種に占める作付比率はわずか0.5%だったが、平成28年では約2300ヘクタールで作付が行われ、作付比率は7.2%まで増大した。産地としての信頼確保に向けて順調な滑り出しである。さらに一般財団法人日本穀物検定協会の食味ランキングで特A を取得したことがきっかけで、販売店での取扱数量が増加した。この特A評価は、対象の米の香り・粘り・硬さ・外観・味を国内複数産地のコシヒカリブレンド米と比較して、それらが特に良好とされた場合に出される。
みずかがみを近江米の中核品種とし、品質の保持や安全安心を徹底するために、近江米振興協会は平成29年産近江米「みずかがみ」推進ガイドラインを定めた。生産者自らがみずかがみを「守り、育てる」取組を組織的に行う体制づくりや取り組むべき技術等の統一を図るための指針である。これも産地としての信頼確保の一歩だ。
滋賀県ではみずかがみの他にもコシヒカリ、秋の詩、滋賀羽二重糯などさまざまな品種の米が生産されている。琵琶湖の恩恵を受けた滋賀の米を一度手にとってほしい。
学生が企画する、学園を挙げた一大イベント「Sustainable Week」が2017年10月1日(日)~10月6日(金)に立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)で開催される。
「Sustainable Week」は学内のサークルや研究室、学生団体などが参加し、学生同士の連携によって、世界で起こっている問題への解決へ向け主体的に取り組むという、次世代のキャンパスモデルとなることが期待される。
国連は、2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」において、17の達成目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した。今回のイベントでは、国連のSDGsの取り組みと絡め、BKCを“ひとつの小さな地球”と捉え、SDGsをBKCにおける1万人規模の社会問題にアレンジし、学内で17個のSDGsを達成することを目標としている。SDGsの取り組みは、世界のみならず日本でも北海道大学などが実施しているが、こうした17のSDGsの目標を学生団体が1団体で1ミッション担当するという発想は、日本初の試みだ。
またBKCと滋賀県の連携にも注目である。2017年6月に開催された「滋賀×SDGs」のイベントの中で、滋賀県は県としてSDGsの活動に取り組んでいく姿勢を表明したばかりだ。そういった経緯もあり、SDGsという目標に対して、BKCで同イベントを主催するSustainable Week実行委員会と滋賀県が、共に全国に先がけて大学と県との連携が自然と行われた。
学生と県との連携は厳しい点もあるが、大学として立命館地球環境委員会などがしっかりとバックアップすることで、滋賀県との連携が可能になった。滋賀県としてSDGsに取り組んでいくということも、他の県にはない、特色ある試みだとして期待される。
今回のイベントは、学内の環境システム工学科が主体となって取り組んでいる。そもそも「Sustainability」とは、環境のみならず、社会・経済が加わることで、より広い視野で物を考えることができる、という考え方だ。持続可能な開発のためには、この、環境・経済・社会をバランスよく取り組んでいく必要がある。Sustainable Week実行委員会・実行委員長の馬場亮輔さん(理工4)は、「環境問題というのは二次災害的だ」と話す。馬場さんによると、経済的・社会的に問題を見た場合、環境はあくまで結果としてついてくるものであり、「17個のSDGsを達成しなければ環境問題も解決しない」という。また、「環境問題に取り組む人は、全体に視点を持つことに長けており、そういう意味でも環境システム工学科が主導して取り組んでいく意義は大きい」と語った。
まだまだ課題こそ多いが、SDGsに懸ける強い思いを持った学園のリーダーたちが、力をあわせて「Sustainable Week」を成功に導こうとしている。学園を懸けた一大イベントの今後の動向に期待だ。(花田)
スポーツ健康科学部の海老久美子教授による研究室「ab lab」が、滋賀県大津市のびわ湖大津プリンスホテルのレストラン「Lake View Dining Biona」(レイクビューダイニングビオナ)の岡本賢治料理長と協力し「Team Biona」を結成し「滋賀の健康」をテーマに滋賀に暮らす人々、滋賀を訪れる人々の心身の健康とともに産業・経済・環境全てが健康に、食べた人がおいしい笑顔になるようオリジナルのメニューを開発した。
「Biona」という名は「琵琶湖」「大津」「自然(nature)」の頭文字から名付けられた。
この企画はびわこ大津プリンスホテルが従来あったレストランの全面改装を行った際に、メニューへ一石投じることを意図し立ち上げられた。「地域創生の中での食」というものを軸に地産地消を目指し、ストーリー作りを意識したメニュー作りが進められ、試行錯誤を繰り返し完成に至った。
海老教授は「滋賀に点在しているたくさんのおいしい食材を「Biona」に持ち込み、線や面という風につなげ料理を展開し、ここでしか食べられない滋賀のものを追及していきたい」と語った。今後も季節ごとにメニューの開発、提供を続けていく予定だという。(南)
【メニュー一例】
・滋賀県産にじますとホワイトソルガムきびのタブレ
・びわ湖のカリカリすじエビと滋賀のトマトと春キャベツシチリア風スパゲッティー
・近江黒鶏胸肉の滋賀県儀平塩麹グリル ディアブル風
・有機野菜のスティック 滋賀の豆乳抹茶マヨネーズと儀平味噌のバーニャカウダ
・滋賀県産豆乳と朝宮ほうじ茶、野洲のいちごのブリュレ
【料金例】
朝食(7~10時):2500円
昼食(11時半~14時半):平日2900円、土日祝日3100円
夕食(17時半~21時):平日4800円、土日祝日5000円。
【WEB】
4月22日、滋賀県守山市の大川下流にて行われた「大川ウッドデッキ竣工式」に伴い「竹灯篭祭り」が開催された。
竹灯篭祭りは、大川周辺の竹林による問題が深刻化する中、それを改善するとともに、町の魅力をアピールする機会を設けるため、本学の学生団体haconiwaが企画・提案し、守山市、美崎自治会などとともに運営された。
haconiwaは「大川活用プロジェクト」という、野洲川の改修工事により、水質が悪化した大川の水環境改善と観光資源化を目指した産学官民金連携プロジェクトに所属し、当祭りはその一環として行われた。
haconiwa代表・桑原さんは「今回の灯篭祭りでは約300名の方が参加された。地域住民からは、若者が来てくれる事自体が町の活性化につながるとの声もあった。」と話し、実際に会場では本学の学生や他大学学生の姿も見受けられた。
また桑原さんは「今回は竣工式に合わせる形で灯籠祭りを開催したが、次回からは今回の行事を定例化し、別の時期に行いたい」とも語った。(戸簾)
北陸新幹線の福井県敦賀市から大阪までのルートについて与党プロジェクトチームは12月20日に開いた会合で、検討されていた3つの候補のうち、同県小浜市を通って京都駅に南下する「小浜・京都ルート」(以下、小浜案)とすることを正式に決定した。京都―新大阪間のルートについては判断を先送りし、年度内の決定を目指す。
敦賀以西のルートは、小浜市を経由して京都駅に向かう「小浜案」、京都府北部の舞鶴市を経由して京都駅に向かう「舞鶴案」、滋賀県の米原駅で東海道新幹線に接続する「米原案」の3つが候補だった。敦賀―新大阪の所要時間は、小浜案が最短43分。舞鶴案が60分、東海道新幹線へ乗り換えが必要な米原案は67分。運賃は、同区間で小浜案が最も安い5380円、舞鶴案が6460円、米原案は6560円となっており、所要時間・運賃ともに小浜案が優勢だった。
全長1400㎞の小浜案は、建設費が約2兆700億円、費用対効果(総便益/総費用)は1.1と試算されている。
決定を先送りした京都―新大阪間は東海道新幹線の北を通る「北回り」と、京都府が提案した京田辺市を経由する「南回り」を検討してきた。京都府はJR学研都市線の京田辺駅付近に新駅を設置し、在来線接続の強化を狙う。検討委員会は調査結果を待って再検討する。
昨年開業の北海道新幹線や一昨年開業の北陸新幹線は、開業後に地域を訪れる観光客が増加するなど、一定の効果を挙げた。一方で新幹線が開業すると、平行して走る在来線の利用者数の低下が見込まれ、在来線はJRの経営から分離することになっている。ほとんどの場合は第三セクターとして存続するケースが多いが、経営安定化は難しく、運賃高騰や本数減少が起こりうる。小浜案の並行在来線には湖西線が該当する可能性があり、滋賀県は反発している。
また北陸新幹線開業後初めてとなった昨春の大学入試で、関西の私大は北陸3県からの志願者数が軒並み減少。北陸から東京へのアクセスが大幅に向上して首都圏の大学に受験生が流れたとの見方がある。財界では、早期に延伸しなければ、北陸とのつながりが劣化し、人の流れが東京へとシフトしてしまうと危機感を募らせている。
北陸新幹線は2022年に金沢―敦賀間が延伸開業予定。小浜ルートの着工は2031年度で、全線開業はいまから30年後の2046年度になる見通しだ。(吉武)
2015.4.1 紙面より
合言葉は「湖国からJへ」。数多くのプロサッカー選手を輩出しながらもJリーグ空白地帯が続く滋賀県には地元が支えるクラブ、レイジェンド滋賀FCが存在する。
月曜日を除く平日夜、練習場には仕事や学校を終えた選手たちが集う。活動資金や時間も限られる中、選手・スタッフ全員が本気でサッカーに取り組んでいる。
現在、関西リーグ1部で戦うレイジェンド。今月11日に開幕する今季では、J3参入への必須条件で、アマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指す。
そんな状況下で、チームに不可欠なのがサポーターたちだ。キャプテンのDF石橋勇二は「まだアマなのに横断幕を掲げて応援してくれるようなサポーターの存在はありがたい。その人たちのためにもことしこそ昇格を」と意気込む。=敬称略 (阪田裕介)
そして今季から指揮を執るのは選手としては日本代表、指導者としては過去に3チームをJFLに昇格させてきた戸塚哲也だ。
指揮官は「昇格だけを目標にはしたくない。もっと上を目指さないと」と言い切る。さらには「一人一人のスキルをJリーグレベルへ底上げすることが必要。そしてどうしたら勝てるのかという、頭で身体が動くサッカーを選手たちには求めたい」と強調した。
レイジェンドは地元に支えられるチームだ。拠点のビッグレイクがある守山市を含め、県内各企業や団体がスポンサーとして参加。さらには地元各校との連携も進む。立命館大とはインターンシップ(就業体験)の受け入れや、スポーツ健康科学部の小沢ゼミとの交流などが続いている。