【参院選2019 大阪選挙区】「維新をぶっ壊す」尾崎全紀候補(NHKから国民を守る党)

 尾崎全紀候補(48)は「既存の政治家はひどすぎる」と嘆き、今回の参院選は「維新をぶっ壊す」ための戦いだと位置づける。「(NHKから国民を守る党の存在が広く認知されれば)社会に不満を持つ人の支持が集まる。大阪選挙区でも十分に勝算がある」と自信をのぞかせる。

取材日=6月28日 (取材・写真=鶴)

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 第25回参議院選挙が7月4日に公示され、21日の投開票日に向けた選挙戦がスタート。大阪選挙区からは改選数4に12人の候補者が立候補した。本紙では6月26日までに出馬を表明した10陣営に取材を行い、若者目線で政策を聞いた。若者に関係する9つの質問を用意し、回答に応じて一部質問を加えた。

 

東徹(日本維新の会)梅村みずほ(日本維新の会)太田房江(自由民主党)数森圭吾(幸福実現党)亀石倫子(立憲民主党)佐々木一郎(労働者党)杉久武(公明党)辰巳孝太郎(日本共産党)にしゃんた(国民民主党)

※敬称略 50音順

※大阪選挙区からは他に足立美生代氏(オリーブの木)と浜田健氏(安楽死制度を考える会)が立候補しています。 

※立命館大学新聞社としては、特定の政党や候補者の政治的主張に同意することはありません

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Q なぜ参院選に出馬するのですか?

 NHKから国民を守る党(以下・N国)の代表である立花孝志を国会議員にするためです。そのためにN国の存在を広く知ってもらいたい。今回の参院選では、全国で2%以上の得票(選挙区か比例区のいずれか)をすれば、N国は政党要件を満たします。その目標はおそらく達成可能ですが、確実性を高めることが私のミッションです。

 N国は既存の政党とはぜんぜん違います。立花が2013年に本当に0から党を立ち上げて、今では40人近くの地方議員を擁するまでに成長しました。いうなればN国はインディーズバンドで、今回初めて武道館でライブをするわけです。チケットが売れるのかは分かりませんが、「全国で5人くらい当選するのではないか」と展望しています。大阪選挙区は定数4ですので、十分に勝算はあると考えています。今の段階では有権者にあまり認知されていませんが、新聞広告や政見放送もあるので、ここからが勝負です。N国の存在を知ってもらえれば、今の社会に不満を持つ人の支持は確実に集まります。

Q 尾崎候補はどういう思いで参院選に望まれるのですか?

 あまりにも「既存の政治家がヒドい」という思いがあります。大阪では日本維新の会が強いですが、維新は口ばかりです。「身を切る改革」と言いながら選挙にいくらお金を使っているのですか。パフォーマンスですよね。今回は「NHKをぶっ壊す」ではなく「維新をぶっ壊す」というキャッチコピーを掲げています。

Q NHKに対しては、どういう意見を持っていますか?

 個人的にはNHKに対しての思い入れはありません。そもそもテレビを見ませんし(笑)。ただNHKの集金人の強引な徴収はありえないことです。「国営放送にしたら良いのに」と私は思います。そうすれば税金として徴収できますよね。

Q 個別の政策についても聞いていきたいと思います。高等教育無償化についての意見を教えてください。

 学費は無償化にしていくべきです。勉強したくない子まで勉強させるのはどうかと思いますが、勉強意欲のある子には教育を提供しなければなりません。そうしないと金持ちだけが、良い教育を受けられるようになります。階級が再生産されるということです。

Q 少子高齢化が進行していますが、社会保障制度は維持することが可能でしょうか?

 ある程度、成熟した国家で少子化が進むのは仕方がないことかもしれません。多夫多妻を認めるとか、一夫一婦制をやめるとかそういう原理的問題になってくると思います。年金に関しては、払った分を受給できるようにしなければなりません。ですから今の賦課式から積立式への転換など検討が必要です。

 

Q 「貨幣を発行すれば良い」ということですが、国の借金が1100兆円を超えました。どんな意見を持っていますか?

 「借金が増えている」というのは完全に洗脳だと思っています。国家経営と家計を同一視してはなりません。国債を発行できるのは、それだけ国力があるからです。大学生が奨学金を借りることが可能なのは、返済する見込みがあるからでしょう。それと同じです。アメリカのニクソン大統領が、ドルの金との交換を停止した1971年のニクソン・ショック以後、はっきりとした金融理論が確立されていません。貨幣が金との交換価値を失った時点で、国家は国内労働力を担保として、貨幣を発行するわけです。その意味では、「政府は財政赤字を気にする必要が無い」という現代金融理論はおそらく正しいです。

 

 重要なのは経済を循環させることです。人間の体を国家に例えると、血液循環の悪い部分をほぐせば良いのです。必要なところにお金をまわすということです。

Q 消費税増税に関してどう考えますか?

 論外だと思います。中小企業や零細企業は軒並み倒産して、失業者が増加し、治安も悪化するでしょう。2世・3世議員が悪いとは思いませんが、安倍総理や麻生財務大臣はあまりにも一般の感覚とかけ離れています。消費税増税でどう生活が変わるのか考えることも、中小企業の経営者と話をする機会もないのでしょう。ただ一方で、「消費税廃止」など安易に出来ないことを口にする山本太郎のような政治家は詐欺師だと思います。それに乗っかっている人も完全にアホです。N国は出来ないことを言いません。NHKの集金人を撃退して、月額およそ2000円の受信料を削減しています。実行するからこそ支援者がいるのです。

Q 最低賃金に関してはどう考えますか?

 「消費税をゼロにする」という政策よりは「最低賃金を1500円にする」と宣言する方が現実的です。ただ時給が上がっても問題が解決するのかは疑問です。最低賃金が上がることは悪いことではありませんが、経営者側の視点を欠いています。無理に引き上げると、最低賃金制度が抜け殻みたくなるのではと懸念しています。

Q 非正規雇用やワーキングプアの問題にはどう対処しますか?

 「正規雇用が良い」と決めつけるのは難しいです。ただ同じ企業の中で正規雇用と非正規雇用で分かれているのは問題です。

「やろうと思ったら、なんでも出来る世の中」であるからこそ、世の中の流れに乗って生きることができません。その反応として、メディアが「ロストジェネレーション」と騒ぎ立てますが、めぐり合わせの部分もあると思います。「人間にとって何が一番重要なのか」を考える必要があるのかもしれません。

Q 30年後にどういう日本にしていきたいですか?

 逆にどうしてほしいですか。今まで行政にしても、政治にしてもニーズを聞くのが少なすぎました。すぐに政治家は政策をパッケージ化したがりますが、個別具体的に状況が異なるのだから不可能でしょう。

 今の日本は、真面目で不器用な人ほどメンタルも病むし、口ばかりで調子の良い人がでかい顔をしています。その意味で維新は嘘ばかりつく詐欺師です。

 NHK問題はある意味で今の日本を象徴しています。NHKの集金人は、老人など弱い人から受信料を徴収します。「強者が弱者を搾取する」というのは世の中全体がそうですよね。私は「自分が弱い」と思い込んでいる人に「弱くないのだよ。一緒にやろう」と言っています。今度の参院選にN国は40人以上擁立していますが、まともな人は5人くらいしかいません。党員には自己破産経験者もいれば、前科者もいます。それでも私たちが頑張ることで、勇気づけられる人がいるのではないでしょうか。

Q 最後になりますが、若者へのメッセージをお願いします。

 他人の目を気にせず、好きに生きてください。気になることは気が済むまでやってください。それが全部、あなたの血肉になります。政治に関して興味を持ったら、選挙の手伝いをしてみたら良いと思います。力関係が政治の本質で、政策なんてショーウィンドウに並んでいる商品みたいなものです。「被選挙権も18歳まで引き下げるべき」というのが持論ですが、立候補できるならぜひ挑戦してください。そうすれば世の中の景色が一変しますから。

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コメント: 1
  • #1

    最勝寺辰也 (土曜日, 13 7月 2019 03:20)

    他人の目を気にせず、好きに生きてください。気になることは気が済むまでやってください。それが全部、あなたの血肉になります。
    という最後の部分に涙が出ました。
    私も参加して気が付いた事ですが、政治は楽しい。
    選挙権をもった大学生の方々にも政治に興味をもって、参加してほしいと思っています。