―中高生に郷土の良さを再発見してもらい、将来を考える契機にしてほしい―
滋賀県近江八幡市を舞台に、大学生が中高生の主体的な学びを支援する「滋賀キャンプ」。中高生に対して多様な視座から将来を考える機会を提供する試みで、3度目の開催を今夏に控えている。(鶴) 取材日5月10日
滋賀キャンプが始まったきっかけは、事業代表である森雅貴さんの滋賀に対する思いだった。滋賀県出身の森さんは中高生の頃「田んぼと山と琵琶湖しかない滋賀」に辟易し、イギリスの大学に進学した。しかし滋賀を離れてみると、今まで気づかなかった郷土の魅力が見えてきたという。
「滋賀だからこそ得られる学びの場があればよかったな」
自身の体験から、中高生が滋賀を舞台に郷土の魅力を学ぶ滋賀プロジェクトを発足した。
プロジェクトは①「3泊4日の地域学習(近江八幡市の伝統産業を学んだり琵琶湖で漁業を体験したりする)を通して滋賀を知る」②「地域学習での経験を基にして、ワークショップでは大学生の力を借りながら自分の関心を見つけプロジェクトを企画する」③「その後3か月間、少人数のゼミなどで大学生のアドバイスを受けながら、12月のプロジェクト発表会に向けてテーマを深める」という3つの段階があり、中高生の主体性を引き出す仕組みとなっている。
実際に昨年の参加者からは「農業にアプローチして、地域に関わる仕事をする目標ができた」という声が寄せられた。
中高生をサポートする大学生メンバー11人の内、3人が本学学生である。壺井汐音さん(経済1)は、昨年のキャンプに参加した友人から話を聞いてメンバーとして加わることを決めた。今は滋賀県内の中高との提携を進めていて「中高生と地域をつなぐ活動をしたい」と話す。
「滋賀は自然があって、ゆったりとした時間が流れている。地域の人も学生の活動に理解があって、挑戦する土壌がある。若者ならではの視点から地域の魅力を発信していきたい」
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