「持続可能な社会に向けて」 本学でも機運高まる

「貧困をなくす」「質の高い教育をみんなに」など17の目標達成に向けて国連が2015年に掲げたSDGs(持続可能な開発目標)。達成期限の2030年に向けて本学内でも機運が高まっている。本学でSDGsの取り組みを先導する立命館大学Sustainable Week実行委員会に話を聞いた。       

 

聞き手 鶴 取材日 3月29日

 びわこ・くさつキャンパス(BKC)を小さな地球に見立て「持続可能性」を考える立命館大学Sustainable Week実行委員会が発足したのは2017年だった。その目的として「学生の活動と社会課題をリンクさせたいという思いがあった」と同会を発足した上田隼也さん(生命5 取材当時)は話す。

「立命館大学は学生個人の活動が活発で、国連が提起する17個の社会課題に当てはまる学生団体も多かった。これらの団体がSDGsという共通の目標の元で結集することで他分野での協力が生まれ活動の幅が広まった」

 

「友人にSDGsを教えてもらい、それを次の世代につなげていく。そのような循環が必要」と話す上田さん
「友人にSDGsを教えてもらい、それを次の世代につなげていく。そのような循環が必要」と話す上田さん

 2017年10月の第1週にBKCで開催されたSustainable Week 2017では本学に所属する27の団体、約700名が企画運営に携わった。その中には規格外の野菜を用いて食品ロスを考える「0円食堂」や琵琶湖の生態系を破壊する外来魚をフライ調理にして食べる「外来魚を喰らえ」などユニークな企画があった。従来、持続可能性という言葉を使う活動といえば、エコや脱炭素など環境面での取り組みがクローズアップされていた。しかしSDGsは「ジェンダー平等を実現しよう」など、より広範な概念の持続可能性を提示している。そういった意味で学生が自身の取り組みに引きつけて参加することができる。

 

 Sustainable Weekなどの啓発活動によってSDGsがだんだんと本学学生にも浸透してきている。実際にBKCにおけるSDGsの認知度はSustainable Week 実施前の2017年の調査では一般大学生同様17%ほどであったが、Sustainable Week2018実施後の2018年10月の調査では61%に上昇するなど一定の成果が出ている。上田さんも「企業などもSDGsが重要なテーマであることを認識し始めている。地域の学校からの講演依頼なども増えている」と手応えを示す。今後は周知するだけでなく、いかに現実社会を変革していくかが大切となる。上田さんは「まず個人が身近にできることをやっていく必要がある。1人の意識から組織の意識、社会の意識へと繋げていきたい」と意気込む。

 

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