2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は次第に社会に認知されてきた。SDGsの達成期限は2030年。奇しくも、立命館学園の中長期計画「R2030」も同じ2030年までの計画だ。今後の10年間は世界的な転換点となる。SDGs達成へ向けた取り組みは経済成長だけを目標とするのではなく、持続可能な社会を形創る世界的な機運だ。東京五輪や大阪万博を控える日本は、この機運を先導する存在となるべきである。
いかに無関心な学生を巻き込んでいくか
本学においては2017年に学生主導のSDGsの祭典「Sustainable Week」が初めて開催されて以来、急速に認知が進み、その翌年には同イベントは倍以上の規模に成長した。学生の活躍を受けて、本学はSDG推進本部を設置し、5月24日にはホームページも開設された。これにより、本学でのSDGsへの取り組みの基盤は完成したと言えるだろう。今後はいかに無関心な学生を取り込んでいけるかが焦点になる。持続可能な社会を作り上げることは、やる気のある学生や教職員だけでは相当に困難である。社会を作り上げようとしているのに、自分の大学の学生すら巻き込めないのでは、理念はまさしく絵に描いた餅だ。
行動する「同志」を増やすためには、まずSDGsとは何なのかを周囲に認知させなければならない。その過程で気をつけるべきは、SDGsについて知らない人に、この理念や目的が何であるかを正確に理解させなければならないことだ。ゴールは社会の諸問題の解決であるため、どの問題もSDGsに帰結する。理念の正確な理解は容易ではない。
「誰一人取り残さない」このSDGsの理念に則り、主導者にはすべての学生を巻き込んでもらいたい。どのように取り組みを活発化させていくか。全員が「同志たち」と共に、方法を探らねばならない時期がきている。
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